温暖化でサケ消える!

なかなか刺激的なタイトルの新聞記事です。

リンク: 温暖化、日本の川からサケ消える!?北大チームが試算 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

温暖化、日本の川からサケ消える!?北大チームが試算

 地球温暖化で海水温が上昇すると、今世紀中に日本の河川から天然のサケが姿を消す可能性が高いことが、北海道大の帰山(かえりやま)雅秀教授(魚類生態学)と岸道郎教授(水産海洋学)の研究チームの試算で明らかになった。
Click here to find out more!

 東北地方とほぼ同緯度の朝鮮半島東部の河川に遡上(そじょう)するサケが減少しているという観測もあり、帰山教授は「すでに温暖化の影響が出ている可能性がある。今後の推移を注視していきたい」と話している。

 研究チームは、2100年に平均気温が上昇するとした国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告書をもとに、日本の河川に生息するシロザケの生態を予想した。

 日本の河川で孵化(ふか)したシロザケの幼魚は、オホーツク海に出た後、北太平洋のベーリング海からアラスカ湾を回遊。カムチャツカ半島、千島列島経由で2~7年で産卵のため元の川に戻ってくる。

 シロザケの幼魚の成長期に適した海水温は8~12度で、越冬期は5度前後。IPCCの予想通りに平均気温が3・4度上昇すれば、オホーツク海の海水温は2~4度上昇し、2050年ごろには、日本沿岸からオホーツク海の回遊ルートが消えて国内のサケが激減する。21世紀末までに生息域がなくなり、サケは壊滅状態になるという。
(2008年1月1日3時9分 読売新聞)

さて、どうなんですんかね。縄文時代は現在よりも遙かに気温の高かった時期ですが、その時期(厳密にはその後に寒冷期が到来しますが)にサケマス文化論が生まれているのですが、この辺とどう関わるのでしょうか。

2008 01 03 10:40 PM | 固定リンク | コメント (90) | トラックバック

カムバックサーモン友の会が結成

 どうもです。閉鎖はしていませんでしたが、よく見ると一月ぶりの更新となります。久々に展覧会の手伝いをしていたのですが、これがものすごい状況になりまして^^;、なんとか復帰しつつあります。サケのシーズンも始まりつつあり、各所ではサケ釣り情報もアップされていますが、今年はスルーになりそうです。あ、でも気になるニュースがいくつかありますので、後追いになりますが、記録のためにそのうち紹介したいと思います。
 さて、記事の方です。いささか旧聞ですが、こんなニュースがありました。情報をくれたナベさんありがとう。

リンク: 環境.

カムバックサーモン友の会結成 宮古  川井村と宮古市を流れ太平洋に注ぐ閉伊川上流部へのサケ遡上(そじょう)を願う「カムバックサーモン友の会」の結成総会は27日、同市蟇目の高齢者コミュニティーセンターで開かれた。今後、河口近くに設置されている川留めの一時開放などを関係団体に要望し、かつて県内河川で多く見られた秋の風物詩の復活を目指す。  総会には、閉伊川沿いに位置する蟇目地区の住民や自然愛好家ら16人が出席。設立趣旨を確認し、事業計画と予算案を承認、会長に北里大水産学部の朝日田卓助教授(魚類生態学)を選出した。  朝日田会長はあいさつの中で、スライドも使いながら「サケの遡上は森・川・海の栄養循環の重要な一部でもある。サケが自然に川を上っていく意義を再認識してほしい」と訴えた。  同会は今後、川サケ漁のため河口近くに設置されている川留めの一時的な開放や、ふ化場で人工飼育した稚魚の川上流部での放流などを漁協など関係先に要望していく。

 なかなか興味深い点があります。まず、やっているのが既にある程度サケの遡上する宮古市閉伊川である点、大学の先生が中心となっている点です。閉伊川はかなり上流までサケが遡上していたとされ、川井村には重要有形民俗文化財に指定されているサケの漁具もあります。もちろん、現在は記事にもあるように川留が河口近くにありますので、その姿をみることはできませんが。
 で、この運動、川をあけてサケの泳ぐ姿を多くの人に見てもらう、ということだけが目的になるのですかね。
 ここで問題になるのは、閉伊川が目的の採補ができている河川か、ということと、上流に行った親の死骸の処理、そして密漁対策というところでしょうか。1番目の点は、このブログでもなんどか述べているように、稚魚放流が過剰化しているような現状の中ではある程度留めをあけて上流に遡上させるというのは問題があまりないのかもしれませんが、2点目以降は少し考える必要があるように思います。
 もちろんサケの死骸が森の栄養素になっているという研究は一定の成果をあげて、定説となっていますが、これはより北部の森の話で、特に現在のように人間の(ある程度処理をしているとはいえ)生活排水も流れ込むような、そしてこうした研究の対象となっている森よりもはるかに栄養素が豊富な川の場合、どのような影響があらわれるのか、気になるところです。もちろん、密漁対策も同様ですし。
 このあたり、どの程度留めをあけていくのか、という点に検討は必要かなという気がします。
 ただ、密漁対策と重なりますが、自分の専門である民俗技術という側面でいえば、河川、特に上流部で行われていたようなカギ漁などを文化財的な技術として残してもよいかなという気がしています。そうした漁をしていた人は、戦前から漁をしていた人になりますから、復活させるのであれば、早めにしたほうがよいような気がします。さもない話ですが、そうした視点もカムバックサーモンとして扱ってもらえるともう少し異なった展開があるような気がしますが。すこし手前みそですかね。

2006 08 13 11:05 PM | 固定リンク | コメント (75) | トラックバック

知床におけるカラフトマスの遡上数、サケの10倍

 もう2月も終わりですね~ハヤイモノデス
 あいかわらずまったりした更新頻度ですが、ぼちぼちやらせて頂いております。ここのところ、職場の研究紀要に書くと宣言してしまい、反省しつつ原稿書きに追われております。
 ということで、ちょっとしたニュースの紹介を

リンク: マス遡上数、サケの10倍 知床科学委で報告 .


 【斜里】世界自然遺産に登録された知床の保全について助言する知床科学委員会の会合が二十三日、網走管内斜里町で開かれ、小宮山英重委員(野生鮭研究所所長)が、遺産登録地内の河川ではカラフトマスの遡上(そじょう)数がシロザケの十倍に達しているとの調査結果を報告した。

 小宮山委員は昨年八月から十二月にかけ、二、三週間おきに斜里町内の八河川と根室管内羅臼町の十一河川を調査。生きている魚の数と死んでいる魚の数、産卵床数を調べ、そこからカラフトマスは十八万匹、シロザケは一万八千匹が遡上したと推定した。

 カラフトマスが多い理由について、急峻(きゅうしゅん)な登録地内の川が魚体の比較的小さなマスの遡上に適しているためと考察。「知床では、マスが海と川の生態系をつなぐ重要な役割を果たしている」と指摘した。


 特にコメントはなく、知床まで行くと、こんなにカラフトマスが増えるのか~、という程度なのですが。ちょっと気になるのは、カラフトマスとサケは遡上時期が少し違って、カラフトマスは8月ごろだったような。で、沿岸の漁はサケを主な対象としていたはずのですので、シロザケが少ないというのは、その影響もあるような気がするのですが。このあたりなかなか計算は難しいとは思うのですがどうなんですかね。
 ところで、カラフトマスはセッパリマスともいい、婚姻色が出始めると背中が隆起しだして、とてもきれいな印象です。一度、その遡上、産卵の様子をこの目で見てみたいものです。いいな~、知床旅行か~>遠い目

2006 02 28 05:08 AM | 固定リンク | コメント (78) | トラックバック

北海道サーモン協会の事業が徐々に

 以前、紹介した北海道サーモン協会が、徐々に事業を開始したようです。
 残念ながら、HPは立ち上がっていないようですが、北海道環境財団のイベント情報にて、講座等の募集がなされています。

リンク: (財)北海道環境財団.

勝手ながら引用させて頂きますと

●公開市民講座「北海道産サケを知ろう」第1回「旨くて安心!秋サケのすべて」
 お店に並ぶ色々なサケ。どれがどんなサケか迷いませんか「サケの話を聞き、試食する」そんな集まりにどうぞ。おみやげも用意します。サケと河川環境の重要性を学びましょう。プログラムは・サケの不思議・ 天然サケの魅力・試食タイム・何でもサケの質問箱、など。
[日時] 9月30日(金) 13:30~16:00
[開催場所] 札幌エルプラザ「札幌男女共同参画センター」
[定員] 先着90名
[参加費] 無料
[申込方法] 電話、Fax、電子メール(お名前と連絡先をおしえてください)
[協賛] 道ぎょれん、札幌中央水産、佐藤水産、道定置綱漁協

●サーモンロードふれあいツアー「秋サケと温泉の旅」
 遡上サケ釣り見学・秋サケ料理と温泉満喫・樹齢1500年イチイ見物を中心に、参加者の親睦を図り、サケと河川と環境保全を考えます。
[日時] 10月2日(日)8:30~17:30
[行先] 石狩市浜益区
[開催場所] 北大通NHK前 8:30集合
[定員] 先着45名
[参加費] 会員2,000円、非会員2,500円(昼食、入浴、傷害保険付)参加費は当日いただきます
[申込方法] 電話、Fax、電子メール(傷害保険の関係で住所、氏名、年齢、電話番号をおしえてください。いただいた情報は、当協会の事業以外で使用することはありません)

連絡先等は上記リンクからたどってください。
 どちらも個人的には興味深いのですが、それだけで北海道に行く財力もありませんし…、特に後者は気になりますね~^^;

 しかし、サーモン協会さん、是非HPを立ち上げてください。よろしくお願いしますm(_ _)m

2005 09 09 05:33 PM | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

知床フィールド講座

 知床の自然遺産指定に関して、サケも一翼を担っているという話はこれまでも紹介してきましたが、知床自然センターにて、このような講座が開かれるそうです。

リンク: 第3回 知床フィールド講座 『サケの役割』.

 ちなみに、知床自然センターのHPはこちらです。
 とても興味があるのですが、さて、知床までいけるかな?

2005 07 25 01:33 PM | 固定リンク | コメント (69) | トラックバック

知床半島世界遺産へ

 すでに各所でニュースとなっているように、知床半島が世界自然遺産に登録されました。ヘッドラインにもあるように、多様な生態系が評価されたということで、その中には我が?サケも含まれています。

リンク: 知床の世界遺産登録は17日 多様な生態系評価.

 このネタは、以前、ダム関連で紹介したこともありますが、この点は記事中に


 その一方で、≪1≫二○○八年までに完成させる海域管理計画の策定を急ぐ≪2≫サケ科魚類へのダムによる影響と対策に関する戦略を明らかにしたサケ科魚類管理計画を策定する≪3≫登録後二年以内に海域管理計画の履行の進ちょく状況などを評価するための調査団を招く ―など五項目の措置を要請。世界遺産委はこれらについても了承した。

とありますから、今後の課題として残されているようです。
 昨日のテレビニュースでは、カラフトマスの遡上する様子やそれを狙うヒグマなどの映像が流れていて、天然のサケ科魚類の遡上する川とそれを取り巻く自然、というのは知床を巡る一つの目玉として意識されているように思います。であるならば、是非、この計画を実行して頂ければと思います。

 世界遺産の登録を巡っては、屋久島などでも観光客の増大とそれに伴う環境破壊、白川郷の文化遺産登録によって、やはり観光客の増大と、それに伴う住環境の破壊、といった問題が指摘されています。知床の場合は、それ以前のダムという環境改変が大きく行われていたことから、こういう指摘がされていますが、今後の維持管理もモデルケースとなるような活動を是非進めてもらいたいと思います。
 とはいえ、地元が登録を推進してきた理由って一番は観光”開発”なんだよな~、だとすると、一番は観光客であり、お客さんがみえる部分での環境維持になってしまうのかな~
 いやいや、悲観するのはやめて、暖かく見守っていくことにしましょう^^;
 

2005 07 15 09:36 AM | 固定リンク | コメント (80) | トラックバック

知床でサケ科魚類の保全を

 最近ダムずいていますが、こちらもその関連のネタで、知床の世界遺産登録関連で、こういう指摘がなされたとのこと。

リンク: ダムが産卵環境破壊 河川保護へ「モデル地区指定を」.

 魚道が機能していないというのは多くのダムでいわれていることですが、さて、どうなることやら。
 今回の評価書作成にはワイルドサーモンセンターの職員の方が関わっているのですね。知床あたりならシロザケ、カラフトマス等々多くの種類のサケが魚類が遡上できる環境にあるように思います。せっかくですので、本州のシロザケだけとは違う、多様なサケの遡上ができるようになるとよいのですが。どうでしょうかね。

2005 06 16 11:00 AM | 固定リンク | コメント (68) | トラックバック

サケはダムに殺された

本の紹介です

サケはダムに殺された 二風谷ダムとユーラップ川からの警鐘

 ちょっと前に購入していたのですが、ようやく読み終えました。当然タイトルに引かれて購入したのですが、内容はダム問題の本です。
 ダムが引き起こす河川環境の破壊を、特に下流側の視点から書かれていて興味深く拝見しました。河床の浸食については丁寧な図版が多数入り、よくわかります。特に、数メートルの河床低下の事例の写真などは、感動的ですらあります。一次話題になった脱ダム宣言なども、こうした事例を読むと非常に説得力がありますね。
 こういう本を読むと、治山治水を目的としたダムというのは、ダムを推進する側ではどのように理解されているのか、非常に気になるところです。工学系の本ではどのように解説されているのでしょうかね。そのくらい、何もよいところがないような気にさせられます。

 このブログはダムの善し悪しをどうこういうのが目的ではないので、この本の趣旨とははずれますが、サケの関連について思ったところも。

 サケ関連の主要な内容は、ダムが放流する泥についてと、ダムに起因する(と筆者が警鐘をならす)河床低下への対策として行われる河床部まで行われる護岸工事によって産卵場が失われ、サケのみならず魚が姿を消してきている、という部分です。
 確かに、サケの産卵場はわき水がある砂利質の河床ですから、護岸工事によって湧水の出口がふさがれ、泥が河床に堆積することによって、砂利が失われると、産卵する場所がありませんので、必然的にサケが減ることになります。
 サケ化の場合、100%とまではいかないようですが、それでもその川で生まれる稚魚がいなくなれば、数年で遡上するサケがいなくなるわけで、水質そのものに対しては比較的強いそうですが、その姿を消すのはたやすい魚でもあります。
 カラフトマスなどは2年できっちりと回帰するので、ある年の群れが諸事情で絶えると、きっちり隔年でしか遡上しない川になるそうです。しかも、この場合は継続的な産卵床の悪化が理由ですから、そう簡単には帰ってこなくなるのでしょうね。
 また、本書で非常に気になったのは、こうした産卵場所の悪化がもたらす弊害として、数少ない産卵場所に多数の魚種が集まるようになるということが指摘されています。つまり砂利質の河床で産卵する魚はサケだけではなく、サクラマスやウグイも一カ所に集中するようになり、サケが生んだ場所を掘り起こしてサクラマスが産卵し、さらに掘り起こしてウグイが、というようになるそうです。その結果、せっかく産卵ができても、その後の要因で孵化までいたらないことになり、ますます減ってしまうということになるとのこと。
 まさに、川の魚がダムに殺される過程という気がしてきます。

 川の環境という場合、多分公害問題の経験からか、どうしても水質に目を向けがちです。もちろん、幾ら強いほうとはいっても水質が悪化すればサケの遡上もなくなりますから、その対策は必要なのですが、先般紹介した山形のサクラマスの事例といい、河床や魚道の作り方まで視野に入れた河川環境に対する視点は弱いような気がします。もちろん、十勝川を昔の魚道に戻す動きなどもありますから、今後の河川行政ではこうした動きも一つの流れになるのかもしれませんが、早急に考え、動き出す必要があることだと思います。
 ただ、もう一つ、サケがらみからみたときに動きが鈍くなる要因もあるような気がします。人工孵化事業です。つまり、水質がある程度であれば、あとは稚魚を買ってきて、産卵場(とサケに思わせている場所)の下流で全部つかまえ人工授精させて、ということを繰り返すとある程度サケが帰ってくるようになる、という技術の確立があるように思います。このおかげで、ダムなど物理的に河川をくぎらず、一定の水質が維持できれば、別に河床がどうのこうのということにはならずに、”わー、たくさん帰ってきた。めでたい、めでたい”ということになりがちではないかと。
 もう一つの経済性をもつ魚であるアユも河床の影響を受けるのでしょうが、これも養殖物が中心になっていますから、水産物としての内水面ではどうしても総合的な河川環境の保持、という方向にいかないような気がします。

 さて、こういう流れを断ち切るのは、どういう力が必要なんでしょうかね。

2005 06 06 06:21 AM | 固定リンク | コメント (83) | トラックバック

『北海道サーモン協会』

 お世話になっているFreshwater-Lifeの鳥居さんから『北海道サーモン協会』なる組織が立ち上がったとの情報を頂きました。3月の話なのでいささか旧聞となりますが、紹介させて頂きます。
 ニュースソースはこちら、

 東西南北~あなたの街から:サーモン協会設立

 また、ブログでも紹介されている方がいらっしゃいます。

  『北海道サーモン協会』設立! : marimoの北海道情報チャンネル -北国tv

 記事を拝見すると、カムバックサーモン運動を進めてきた、北海道サケの会が、会員の高齢化などもあり解散することとなり、改めて上記組織を発足し、サケをテーマにカナダとの交流や河川環境の保全、それに関わる啓蒙活動を進めるということ。

 近年は、NPOでサケの人工孵化放流事業を積極的に進めている団体も各地であります。拙ブログで紹介したものですと、江の川や、遠賀川、五行川などがあります。こうした会は河川環境の保護の一つの目玉としてサケを扱うことから出発しようという動きのようですが、単にその川だけではなく、各地の動きと結びつくことで、情報交換が進められるとさらに広がりのある活動になるように思っていました。
 そういう意味で、「北海道サーモン協会」も、サケの会発足以来の歴史があることですし実績もありますので、”北海道”に限定せず、そういう各地の運動と横の連携をしながら、全国規模のつながりが作れるようになると更によいような気がします。

 まだ、HPなどはないようですが、是非立ち上げて頂き、その活動を教えて頂ければと思います。

2005 05 16 10:25 AM | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

英国の養殖サケ

 養殖サケを巡る話で、こんなものがありました。

養殖サーモンを宣伝しながら自分のレストランでは使用せず…ジェイミー・オリヴァーに非難集中

 イギリスの話なので、大西洋サケの養殖にかんするものですが、有名なグルメ番組の司会者?が養殖サケの宣伝をしながら、自分のレストランでは天然サケしか扱わないということが非難されているとのこと。

 イギリスでは、大量の養殖は自然環境に悪影響を与えるということが指摘されているようです。もっぱら湖などで養殖が行われているようですが、余ったエサや死骸などが湖底に溜まり悪影響をもたらしているとのこと。
 一方で、養殖業者側の意見は、きれいな水で育ち、品質は非常によいとのこと。

 で、非難されている当人は、”お店では扱っていないけど、養殖サケも品質はいいよ”だそうです。
 うーん、養殖事情には疎いのですが、以前あったフグ養殖などとも近い話と理解すればいいのかな。こういった環境問題と生業とのかかわりはヨーロッパの方が発達しているようなので、なんともいえないのですが、日本ではどうなんですかね。

 とはいえ、記事ではよく読み取れないのですが、そもそも自分のレストランで使わないのはこういう問題に配慮していますよ、というアピールがメインなのか、単に養殖のサケはおいしくないので使わないということなのか、それも気になります。まぁ、後者なんでしょうが、であれば、環境保護の人のコメントではなく、純粋に味に関するコメントがあったほうがよいような気もするのですが。こういうところで環境との関わりを指摘されると、かえって議論がぼやけてしまうような気がします。

2005 01 06 10:56 AM | 固定リンク | コメント (75) | トラックバック

北太平洋のサケ資源

 来春3月に東京で開催されるイベントのニュースです。主催はNPO法人アースウォッチジャパンです。

EICネット[イベント情報]海外プロジェクト「太平洋北西部のサケ」および「スリランカのサル軍団」体験報告

 サケに関しては


概要:「太平洋北西部のサケ」
絶滅しつつあるサケを保護すべく、河と河岸の再生計画の進捗度を評価する調査。
ボランティアは、各調査地点で傾斜度や地形、水質、生物などを調べる。また植物の分布、樹木の高さと直径、沈木の調査、魚類と無脊椎動物の採集も行う。

とのこと。
 確かにロシア沿岸のサケ資源は問題になるレベルで減少している様子です。余裕があれば行ってみたいと思います。

 しかし、もう来年のニュースがでる時期なんですよね。4ヶ月後って考えれば変ではないのですが…。一年の過ぎるのが本当に早く感じるようになってしまいました。

2004 12 04 10:50 AM | 固定リンク | コメント (79) | トラックバック

珍しい場所でのサケ遡上調査

 そろそろサケの遡上シーズンも終了に近づいてきていますが、ここ数日のニュースのなかで気になるものがありました。

「見かけたら連絡を」 きょうから遠賀川サケ遡上調査
五行川のサケ回帰定着を 真岡のNPOが採捕、採卵

 前者が福岡県、後者が栃木県の話です。ともに人工孵化事業の統計には現れていない場所で、サケ関連の調査などが行われているということ。
 福岡県遠賀川は以前紹介した鮭神社が鎮座している場所で、以前より継続的に鮭の遡上がみられたのが、炭坑の影響で一時途絶え、近年復活してきていることから、調査をしてみよう、というもののようです。こちらでは「遠賀川に鮭を呼び戻す会」という組織が中心となって放流を行っているということで、天然物も含め、数匹が毎年みられるということのようです。
 栃木県は那珂川水系で鮭の遡上がみられますが、現在は茨城県側にウライが設けられていることもあり、基本的にはその姿が見られなくなっています。ただ、利根川水系川ではウライの設置がないこともあり、ちらほらとその姿を見ることができ、ここ数年は継続的に遡上が確認できているようです。こちらもNPO法人「五行川・小貝川鮭守(さかもり)の会」が中心となって稚魚の購入放流をしていたということですが、最近は天然の遡上があることから、人工孵化事業のための特別採捕許可を得て、事業を開始したということ。栃木県では最初の例だそうです。
 NPOによる人工孵化事業は宮城県の七北田川でも行われており、初めてということではありませんが、事業当初の目的が水産資源、ということもあり、多くの川で漁協が中心となって事業が進められることを考えると、全国的には非常に珍しい事例だと思います。
 ただ、このブログでもなんどか触れてきましたが、最近の河川環境保持に対するNPOの関わり方や、サケという魚の位置づけ、そして水産資源と人工孵化事業の現状を考えれば、こうした動きは今後全国的に広がっていくような気がします。経済的にはなかなか大変なことだとは思いますが、事業が安定し、河川環境向上のシンボルとしてサケが位置づけられていくようになれば、それもよいことだと思いますし、こうした動きに関するニュースはなるべく紹介していきたいと思います。

2004 11 27 04:59 PM | 固定リンク | コメント (75) | トラックバック

もう対応

 先に自然に遡上するサケの話をかきました。公園に設けた堰のためにサケの遡上が阻害されている、というニュースから書いたのですが、その翌日の新聞に

段差解消、サケが遡上/青森

だそうです。
 土嚢と石の配置で遡上できるように直したとのこと。いや、マスコミ載れば、対応も素早く、という感じでしょうか。
 いやはや

2004 11 14 09:54 AM | 固定リンク | コメント (91) | トラックバック

自然に遡上するサケ

 川に昇るサケは人工孵化のためにのみ獲っても良い、という話はこのサイトでも何度か紹介してきましたが、自然に昇るサケはどうなるのでしょうか。ちょっと考えさせる記事がありました。

河川公園の段差でサケ遡上できず1

 青森市を流れる天田内川は孵化を行っていない河川で、基本的に自然産卵か間違えたサケが遡上する川のようです。ここの親水公園に噴水用の堰が設けられているためにサケの遡上が妨げられている、というニュースです。
 公園を整備している県では対応を考えたいということですが、興味の引かれる話です。

 ここで問題になるのは、孵化を行っている河川の場合、事業を行う漁協などの組合が県などに働きかけ、こうした施設が作られることはまずない、というところでしょうか。これはアユなどの魚も同様だと思いますが、漁業権(サケは違いますが)が設定されていれば、それにともなって魚の資源保護の視点が持ち込まれますが、そうでない場合はこのように、何気なく人工物が設置されてしまう、ということのように思われます。

 サケに視点を限定すると、国内ではサケの資源減少に歯止めをかけ、増加をするために江戸時代までは自然産卵に任せていたものに”加えて”、人工孵化事業が始められました。さらに、戦後は法律で規制することで、この流れを強化した、というようにみることができます。あくまでも人工孵化事業は、自然産卵だけでは足りない分を補うためにはじまった事業である、というのが前提だと思います。
 ところが、自然産卵の環境はなおざりで、人工孵化のための環境整備には力を入れる、というのははたして、適切な姿なのだろうか、という疑問が湧いてきます。
 もちろん、孵化事業に関わっておられる方々が、自分たちが関わる河川についての環境向上に力を入れることには何も問題はありませんし、そうすることで、サケだけではなく多くの生物にとって好ましい結果がもたらされるので、単に資源確保という面以外にもサケの孵化事業がもたらす効果は大きいことはいうまでもありません。
 しかし、サケの自然回帰がみられる河川の場合、その環境維持はNPOなどに頼るだけではなく、行政側も意識すべきでしょうし、またそうした河川環境等々のNPOを育成する責任があるような気がします。
 自然状態での回帰の増加もまた、人工孵化事業と平行して力を入れていくべき事柄ではないだろうか。

2004 11 14 06:30 AM | 固定リンク | コメント (83) | トラックバック

阿武隈川のコクチバス

 阿武隈川でもコクチバスの繁殖がほぼ確認されたそうです。

河北新報ニュース コクチバス阿武隈川にも アユ・サケへ影響懸念 宮城

 ご存じの方も多いとは思いますが、コクチバスはブラックバスの仲間の外来魚ですが、流水での生息が可能なため、より広範囲での環境に対する影響があるとされています。ブラックバスについてはこのサイトでも何度かふれていますし、よく知れれていますが、最近はコクチバスの環境への影響を懸念する声が大きくなっているようですし調査も各地で行われているようです。
 タイトルにもあるように、アユ・サケへの影響懸念ということですが、ほんと、釣りのみを対象にした放流は悩ましい問題です。

2004 11 08 12:18 AM | 固定リンク | コメント (80) | トラックバック

江の川鮭の会

先の記事で紹介した、江の川鮭の会のサイトがありました。

環境NPO 江の川鮭の会 ホームページ

 サイトにはそれほど情報があげられていないようですが、活動は活発なようです。併せて紹介させていただきます。

2004 10 29 08:43 PM | 固定リンク | コメント (125) | トラックバック

ブラックバス捕獲中

c5yc5wsh0007_i.jpg
 初めての携帯から投稿です。
 懇意にしていただいている鮭漁組合の方々がなさっていました。
 詳細は後ほど。

■で、後ほどです。
携帯での長文は厳しいので

 この町ではため池が多く、その多くにブラックバスが繁殖しているようです。駆除の方法は、刺し網を使い、1夜ほど張った後引き上げます。
 目的が駆除ということで、親魚も稚魚も狙う必要が有り、網目の選択で苦労があるようでした。稚魚を狙うと親がかかりませんし、逆だと稚魚が擦り抜けるという具合です。ちなみに、網はサケ用のものと、アユ用のものを利用しているようでした。
amiage01.jpg

 こちらが、舟上より刺し網をあげている様子。

toami01.jpg
 こちらは、手の空いている人が投網を投げている瞬間。ちなみに漁獲はツブと呼ばれるオオタニシ4個と藻が大漁でした。

 私個人としては刺し網の張り方の写真などが撮影できたのが大きな収穫でした。どうしても漁獲がある時期の調査が優先されるため、なかなか下準備の調査ができなかったので。

 しかし、バス釣りの人気と比例して、各地でバスの繁殖が問題になっています。個人的には河口湖のようにバス釣りを目玉にした湖がある一方で、生態系の保持に気を使う湖沼がある、という具合に区別されることが理想だと思いますが、持ち込まれると、あっと言う間に繁殖するようですね。
 また親魚はなかなか捕まらないようです。漁師さんたちも、「釣りっこは大きいのも釣れる、っていってんだよな」などと言いながら稚魚を網からはずしていました。

2004 07 21 06:08 PM | 固定リンク | コメント (72) | トラックバック

サクラマス遡上のための魚道設置を要望

大樽川に「サクラマス遡上の道設置を」
 最上川上流の大鱒川に設置が進められる発電所に魚道がないため、サクラマスの遡上が阻害されていることから、設置の要望を出したという記事です。
 サクラマスは源流近くで産卵するため、こうした発電所、ダム、堰堤等の影響が大きい魚で、各地でサクラマスの姿が消える一番の影響のようです。
 この記事で注目したのは


東北電力山形支店によると同様の要望は他県でもあるというが、同支店は「魚道設置には多額の工事費がかかるので検討していない」。県置賜総合支庁は「魚が遡上できるようにしてほしいと思うが、要望書の扱いは関係機関と協議し検討する」としている。

ここで、魚道の設置は検討していない、ということです。現在、こうした河川の構造物で魚道の設置は当然のことと思っていたのですが、違ったんですね。なので、魚道を設置しても、流露が狭いためにものすごい水流になって、魚も上れない魚道ができる、といった例も、とりあえず要望もあるし、かたちだけ、という発想があるのですかね(勝手な想像です)。
 アメリカ、ワシントン大学には構内に魚道があって、キングサーモンの遡上を、魚道に設置された観察窓からみることができるという文章を読んだことがあります(岩本由輝「南部鼻曲がり鮭」)。国内でも、千歳のサケのふるさと館では、ウライ直下に施設があり、観察窓があり、サケの遡上をみることができます。せっかく、大規模な工事をするのだから、側面からの観察窓や直上から魚道が見られる施設があれば、少なくとも私は通うのに、などと思ってしまいました。

2004 06 12 10:02 AM | 固定リンク | コメント (59) | トラックバック

豊平川さけ科学館ボランティアのページ

"ikura" 札幌市豊平川さけ科学館ボランティアのページ

 naoさんの記事を紹介したときに、ちょっと触れた豊平川のサイトです。さけ科学館のサイトもあるのですが、充実ぶりからこちら、ボランティアさんのサイトを紹介させていただきます。
 この科学館が生まれた経緯は、「カムバックサーモン運動」が一定の成果をあげ、札幌市が運動を引き継ぐかたちで発足しました。ボランティアは1984年の科学館発足2年後に解説ボランティアとして登録したことに端を発し、サイトのような充実した活動に成長しています。博物館の人間としては、博物館ボランティアの充実という面でも興味がありますが、一方で、市民が発展させたサケの回帰を現在も支えるボランティアという側面でも興味を持ちました。
 活動の概略等については、同ページでも紹介されている、文化空間ジャーナルに詳しく掲載されています。
 河川のサケを支える中心木は、人工孵化放流事業に関わる人たちです。その一方で、河川環境を維持するという面では、こうした市民ボランティアの力が日々大きくなっている現状があります。今後河川をめぐる状況がどのようになっていくのか、よくわからないことが多々ありますが、間違いなくNPO法人に代表されるボランティア活動が重要になっていくのは間違いないように思います。
 今後も、こうした活動については折をみて紹介したいと思います。
 

2004 06 09 05:42 PM | 固定リンク | コメント (58) | トラックバック

伊豆沼・内沼のブラックバス退治作戦開始

伊豆沼・内沼のブラックバス退治作戦開始
 えっと、こっちよりも別頁「みちのく日記」のほうのネタかなとも思ったのですが、環境的な側面はこちらに書いているので、書きます。(というほど書きたいネタでもないのが玉に瑕ですが)
 ブラックバスの問題は各所で取り上げられていますし、造詣の深いかたが多いと思います。私としては、人口産卵床を行政主導でありながら、「バス・バスターズ」とよばれるボランティアが行う活動として動いている点に興味を持ちました。
 近年の河川(内水面)環境の維持にはボランティアが大きな活動となっていますし、その一端がサケをめぐる放流(カムバック運動)なのですが、こうした活動が海水面に広がるということをあまり聞きません。管理する側や、漁業権などが影響してそうなるのでしょうか。川の方が身近とまでは言い切れないような気がします。ただ、仙台近郊ですと広瀬川など、川のゴミ拾いから、七北田川のサケの孵化放流などなど川をめぐるボランティアの活動は多様な気がします。
 バスの問題は、根源に趣味としての釣り人がいて、外来種を持ち込むことなのですが、バスを駆逐に成功したあと、どのような活動に展開するのでしょうか。ちょっと斜めに見ると、サケの放流にしても、生態系を無視した漁の放流は、在来種に影響を与えるような気がしますし、そもそもサケの放流は海で捉えて食料とするためのものなので、内水面のみならず海水面における生態系も考えなくては成らないのではないだろうか。そうした中で、「市民」によって進められる現在の河川環境をめぐる様々なボランティアは今後どのような展開があるのかな興味があります。
 私のように内水面に興味を持つ研究者としては、まさに、人がいったん壊した(というか敢えて作った)自然を、次のステップとしてどこにもっていこうか、という動きに様に見えます。(っていうのは無責任な見方なのでしょうか、ちょっと弱気というか、考えたらずのような気がした本日の投稿です)

2004 04 13 05:19 PM | 固定リンク | コメント (87) | トラックバック