興味深い放流会

 放流話で興味が引かれたものを紹介させて頂きます。

 まずは、以前触れたことのある「江の川鮭の会」による放流会、今年で13回目だそうです。
リンク: サケの稚魚3万匹放流 安芸高田.
 次に青森県五所川原ではこんな感じです。
リンク: 五所川原市の金木川にサケ放流/Web東奥・ニュース20060327_9.
こちらの特徴はライオンズクラブによる環境保全教育のためのサケ放流だそうです。
 最後に岩手県盛岡の放流を
リンク: サケ再会きっと 盛岡・中津川で放流会.
 こちらは盛岡市の本町振興会の主催だそうです。この振興会、いわゆる自治会のことでしょうかね。
 このほかにもニュースリンクが切れてしまったものとしては、富山の町内会主催の放流というものもありました。
 ということで、サケの放流、事業として採補、受精、ふ化、放流というこれまでの流れとは違う、各種の団体が各地で活動していることがよくわかります。
 そして、多くが自然保護の象徴として、”人工的”に育成された稚魚を放流しているところがとても興味が引かれます。これこそサケの現在の人との関わり方ということなんですかね。

2006 04 10 10:46 AM | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

荒川へサケの稚魚放流

 そろそろ、サケの稚魚放流に関わるニュースが出始めてきました。この時期の風物詩ですね(私だけかもしれませんが…)。
 多くの川は毎年のように記事を見ている河川なのですが、そんな中で、ちょっと気になる川での稚魚放流が。

リンク: 荒川へサケの稚魚放流.

 荒川って?と思い、記事をみると東京を流れる荒川でした。


5日、荒川の千住新橋下流のわんど広場でサケの稚魚が放流された。親子で育つわらべの会(桑原照雄代表)を中心に、五反野小学校おやじの会(近藤尚登会長)が協力した。
稚魚は3~7センチくらい わらべの会が12月3日に配布した卵は過去最高の1万2千個。区内23小学校と2幼稚園、葛飾区西小菅小に配布され、子どもたちが各家庭でふ化し稚魚になるまでを観察した。
(中略)
 参加者は放流後、サケゴミをこんなに集めたよが棲めるようなきれいな荒川に、それには河川敷もきれいにとゴミ拾いをした(写真右下)。その後、柔らかな早春の光の中で、わらべの会が用意したトン汁を食べて散会となった。荒川への放流は7回目。

とのこと。
 記事中のインタビュー部分にもあるように、基本的には子供向けの”生命の神秘を知ってもらうこと”と”環境教育”のためにサケの稚魚育成、放流が行われているようですね。
 東京だと、気温が少し高めですから、育てるのが難しいのかもしれませんが、教科書の写真などでよく見るサケの稚魚(あの、さいのうがあるやつですね、って今の教科書にもっているのかしら)を直接見て、育てられるのですから、よい経験とはいえるのでしょうね。
 ところで、この稚魚、どこから来たのですかね。この当たりも気になるのですが、記者さんはさほど興味はなさそう。近辺ですと、茨城那珂川あたりですかね。
 というのも、荒川は、実は日本で最初に稚魚を放流した河川として知られていて、明治時代の初期に試験的に放流が行われていました。たぶん、当時はもっときれいだった荒川でも、確か数匹の回帰がみられただけだったということで(埼玉県庁にそういう行政記録が残っています)、はたして、この事業はどの程度意味があるのか、実は気になったりします。回帰がほとんど見込めない川で、稚魚を放流する事業をするというのははたしてどういう意味があるのだろうか、最後は親がちゃんと戻ってきた、というところまでいかないと、教育的な側面でも大きな効果は望めないような気がするのですが…、それは斜にかまえすぎですかね^^;

2006 02 16 06:20 AM | 固定リンク | コメント (86) | トラックバック

志貴野高校 サケだより2006

 コメントをいただき、存在を知りました。以前紹介した富山県の志貴野高校が行っている稚魚育成の報告がブログとして登場したとのこと。

リンク: 志貴野高校 サケだより2006.

 本日の記事では無事稚魚がふ化したとのこと。見守っていきたいと思います。
 しかし、稚魚育成日誌をつけている学校はいくつかありますが、こういうのってまさにブログ向けですよね。授業中の私用はともかく、生徒さんも先生も携帯で投稿できますし、管理も簡単ですし。各地でこういう事業のブログの輪が広がるとよいのではないかな、という気がします。

2006 01 14 12:21 PM | 固定リンク | コメント (88) | トラックバック

多摩川の巨大サケ

 多摩川で巨大サケがあがったとのニュースが流れています。

リンク: 多摩川に 特大サケ
.


浅瀬に大きな魚がゆらゆら泳いでいるのに気づいて、網ですくい上げたところ、卵を持った重さ5キロのサケだった。村石さんはすぐに川崎漁協に連絡、「研究材料に」とこのサケを提供した。
 東京電力が1998年から2002年まで毎年1回、「カムバックサーモン」と題して多摩川でサケの稚魚約4万匹を放流しており、井口さんは「このサケが戻って来たのでは」と話している。同組合が卵の数や他の遡上(そじょう)例などを調べて県に報告するという。

 サケの平均的な重さが4kgとされていますから、5kgはかなり大きいと思います。
 また、記事の後段で、多摩川のサケ放流に東京電力が関わっていることがわかります。多摩川のサケ放流は、多摩川サケの会が中心だと思っていましたが、これとは別なんですかね。リンク先のHPをみると、1970年代後半のカムバックサーモン運動により放流を開始し、現在の組織になったのが1994年とあるのですが。こちらとは別に東京電力が放流事業をやっていたのでしょうか。

 いずれにせよ、今年は、珍しいところでのサケ発見のニュースが続いていますが、最後は大きいという意味での珍しいサケ捕獲のニュースという感じでしょうか。

2005 12 17 06:21 AM | 固定リンク | コメント (70) | トラックバック

富士川のサケ回帰

 駿河湾に注ぎ込む、富士川にてサケの放流に取り組んでいる団体があるのですね。

リンク: 放流したサケ帰ってきた!? 吉峰会“回帰初年度”.

 なんでも富士市の県立吉原工業高校同窓会「吉峰会」が主体と言うことで、


同会は平成15年3月に体長6、7センチのシロザケの稚魚1500匹を初めて放流。昨年は2500匹、今年は3000匹を川に放した。5年続ける計画で、4年目の来年も2月に3500匹程度の放流を予定している。もともと富士川にサケは生息しないため、「専門家にも相談し、生態系に影響がないようにごく少数を放流している」(宮川会長)。放流後、北海道や本州北部では3―5年で回帰するという。

 というかたちで行われているそうです。

 で、これ、本当によいのですかね。専門家は了承しているようですが、そもそも環境破壊によってサケが姿を消した河川ならまだしも(それでも遺伝子的な問題は残りますが)、少数だから大丈夫、ということでよいのでしょうかね。
 まぁ、生物学的な点はおいておき、私の専門から注目するのは、なぜ工業高校の同窓会?というところですかね。このブログでも何度か紹介していますが、いわゆる自然保護団体以外の団体によるサケの放流が結構はやっているような気がします。そして、近年のサケに関する傾向のような気がしています。このあたり、社会科学的にもう少し検討した方がよいような気がするのですが。
 どこの団体も、お題目としては”生命を実感”とか、”環境に対する”などと行っているのですが、上記、そしてこれまでも述べてきているように、サケの受精卵を買ってきて、そして育てて放流する、という中では、”育てる”という面で生命を感じることはできても、それ以外はかなり疑問があるように思うのですが。それならカブトムシなどを育てる方が、またその河川で絶滅しそうな希少動物の飼育の方が、地域理解という面でも、環境という面でも(なぜ絶滅しそうになったのかという点から)よいような気がしますが。

 ということで、この動き気になったので、新しいカテゴリー”NPO関連”として独立させてみようと思います。NPOでは近年は特定の用件を満たすことで法人格を与える動きがあり、そうしたNPO法人と混同してしまいますが、同窓会などでもNPO法人を取るところもありますし、ここでは、資源を増やす目的以外のサケ放流、という意味で作らせて頂きます。
 古い記事を漁っていく必要がありますので、カテゴリーの完成までにはしばし猶予を。徐々に記事を加えてみようと思います。

2005 10 25 11:22 AM | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

豊平川にサケ観察施設を

 豊平川でこのような施設建設の計画があるとか。

リンク: サケの遡上姿を見学できる施設計画 札商が札幌・豊平川河川敷に.

なんでも、大きな窓を通じてサケの遡上姿を見せる施設で、豊平川サケ科学館と違って迫力ある施設にするとのこと。はぁ、個人的には科学館はお気に入りの施設なのですが、迫力ある施設ですか。
 まぁ、海外ではワシントン州立大学だったかは、大学内で遡上する鮭を見ることができるらしいのですが、そういう感じですかね。(←ワシントン州にいったことがないもので)
 って、千歳のサケのふるさと館もそうですよね。あそこもインディアン水車の直下ですから、最盛期には見事な遡上風景がみられるような気がしますが…(←その時期にいったことがないもので)
 まぁ、そういう話はさておき、自分が一番気になったのはこちら


 石水副会頭らは、石狩川水系のうち千歳川が主体となっているサケの稚魚放流について、将来的には同水系の豊平川でも大量の放流を認めてもらい、数年後に戻るサケを観光資源に役立てるよう関係者への呼び掛けを強める考え。場所は豊平橋からミュンヘン大橋の間の河川敷が想定されており、大型観光バスの駐車スペースも設ける。

 河川法の制約もあり、建築物の規模などは未定だが、河川内には数メートルの滝も設け、強化ガラスで覆った川の断面から、勢い良く遡上するサケを間近で見られるよう工夫できないか検討する。動物の生き生きとした生態を見せる行動展示で人気の旭山動物園(旭川)を参考に、サケの力強く躍動感のある動きを堪能してもらう趣向だ。


 この部分、特に前段です。つまり、この計画のあんこは観光用に特化した稚魚の放流計画を実現しようということですね。
 何度も書いているように、サケの人工孵化事業、そして河川での禁漁は海におけるサケ資源の拡大を目的として行われているので、こういう使い方は考えられていないと思います。
 ただ、一方で、資源の増大にともなう問題が指摘され、補助金カットなどの動きもあわせて、そろそろ孵化放流事業は安定期にはいっているようですし、単に資源の拡大だけではなく、河川環境の保全や、教育なども採捕に関わる人たちに求められるようになってきていると思います。
 今回の豊平川は、そうした人工孵化を巡る状況の流れの中から読むこともできますし、また”カムバックサーモン運動”からはじまる環境保全の象徴としてのサケの流れから読むことできるような気がします。もっとも、サムバックサーモン運動の象徴である豊平川サケ科学館を否定しているのはどうかとも思いますが。
 更に云えば、単なる観光資源としてのサケという側面から読むこともできると思いますし、商工会が中心という点では、今回の場合その側面が一番強いような気がします。そしてこれはサケを巡る新しい動きになるのかもしれませんね。
 興味深く追いかけていきたいと思います。

2005 06 16 10:54 AM | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック

佐賀・唐津で稚魚放流!

そろそろ稚魚放流ニュースが出てきています。それぞれ報告してもきりがありませんので、目立ったものを紹介しよう、と考えていたら、目立ったものがありました。

玉島川でサケ2万匹放流--唐津 /佐賀

 佐賀で放流です。うーん、地図をちゃんと見たわけではありませんが、最西南端の放流ではないでしょうか。
 記事では毎年放流しているとありますが、回帰しているのでしょうか。ものの本を読んだとき、明治10年代に人工孵化放流の技術が導入された際、全国で稚魚飼育がブームになり、壱岐でも孵化場が作られ数年で失敗した、というのがあったと記憶していますが、それの現代版というところでしょうか。あ、もちろん失敗したわけではないのですが。
 唐津ですから日本海側ということで、海流の条件さえ整えば大丈夫だとは思いますが、どうなんでしょうかね。

2005 02 28 01:55 PM | 固定リンク | コメント (75) | トラックバック

遠賀川のサケ

鮭神社の鎮座する遠賀川ですが、以前紹介したように遡上調査が行われていましたが、残念ながら確認できなかったとのこと。

遠賀川のサケ、04年は未確認

 毎年鮭神社の祭礼には参拝にくると言うことだったのですが、残念なことです。
 ただ、サケマス資源センターの来遊状況の速報をみると、北海道や東北地方では例年以上の遡上来遊がみられるのに対して、西に行くと全般に少ない傾向があるような気がします。この変も影響があるのかもしれませんね。
 しかし、暖冬の年はサケは不漁になると言われているのですが、今年はえらく状況が違うようですね。あまり調査に行けなかったので、川の状況はわかりませんが、水温は低かったのかな?

2004 12 30 07:12 AM | 固定リンク | コメント (68) | トラックバック

珍しい場所でのサケ遡上調査

 そろそろサケの遡上シーズンも終了に近づいてきていますが、ここ数日のニュースのなかで気になるものがありました。

「見かけたら連絡を」 きょうから遠賀川サケ遡上調査
五行川のサケ回帰定着を 真岡のNPOが採捕、採卵

 前者が福岡県、後者が栃木県の話です。ともに人工孵化事業の統計には現れていない場所で、サケ関連の調査などが行われているということ。
 福岡県遠賀川は以前紹介した鮭神社が鎮座している場所で、以前より継続的に鮭の遡上がみられたのが、炭坑の影響で一時途絶え、近年復活してきていることから、調査をしてみよう、というもののようです。こちらでは「遠賀川に鮭を呼び戻す会」という組織が中心となって放流を行っているということで、天然物も含め、数匹が毎年みられるということのようです。
 栃木県は那珂川水系で鮭の遡上がみられますが、現在は茨城県側にウライが設けられていることもあり、基本的にはその姿が見られなくなっています。ただ、利根川水系川ではウライの設置がないこともあり、ちらほらとその姿を見ることができ、ここ数年は継続的に遡上が確認できているようです。こちらもNPO法人「五行川・小貝川鮭守(さかもり)の会」が中心となって稚魚の購入放流をしていたということですが、最近は天然の遡上があることから、人工孵化事業のための特別採捕許可を得て、事業を開始したということ。栃木県では最初の例だそうです。
 NPOによる人工孵化事業は宮城県の七北田川でも行われており、初めてということではありませんが、事業当初の目的が水産資源、ということもあり、多くの川で漁協が中心となって事業が進められることを考えると、全国的には非常に珍しい事例だと思います。
 ただ、このブログでもなんどか触れてきましたが、最近の河川環境保持に対するNPOの関わり方や、サケという魚の位置づけ、そして水産資源と人工孵化事業の現状を考えれば、こうした動きは今後全国的に広がっていくような気がします。経済的にはなかなか大変なことだとは思いますが、事業が安定し、河川環境向上のシンボルとしてサケが位置づけられていくようになれば、それもよいことだと思いますし、こうした動きに関するニュースはなるべく紹介していきたいと思います。

2004 11 27 04:59 PM | 固定リンク | コメント (75) | トラックバック

江の川鮭の会

先の記事で紹介した、江の川鮭の会のサイトがありました。

環境NPO 江の川鮭の会 ホームページ

 サイトにはそれほど情報があげられていないようですが、活動は活発なようです。併せて紹介させていただきます。

2004 10 29 08:43 PM | 固定リンク | コメント (125) | トラックバック

江の川のサケ

 えーっと、いよいよサケも中国地方へ、というのは大げさですが、サケの遡上ネタでは最南西端のネタのような気がしますので、紹介まで。

放流のサケ、広島県北へも遡上間近

 この記事をみてぎょっとする方はちょっと地理に詳しい方です。広島県でも北の方を流れる江の川は日本海側に注ぐのですね。って常識かな?
 で、その中心都市である三次市にある広島県立歴史民俗資料館にはサケの漁具が収蔵されていて、私も調査に行ったのですが、近年ではダムができたこともあり、サケの姿は見られない、という話までは聞いていました。

 ところが、数年前から「江の川鮭の会」というNPO組織が中心となって、放流をしていたのですね。また魚道を設置したことで、鮭の自然産卵も見られるとか。
 自分としては、よそから卵をもらってきて、放流する、というのはどうかな、という気がしているのですが、こうして以前、それも主に戦前まで昇っていた川に復活させるというのは、それはそれで大変なことだと思います。単に自然保護だけではなく、それが地域の文化である漁法などとセットになり、伝えられることができれば、また一つの展開としてよいのかな、という気がします。

2004 10 29 07:18 PM | 固定リンク | コメント (92) | トラックバック

サケ戻る川守れ 稚魚10万匹放流 大館・長木川

久しぶりの投稿になります。
なぜなら、最近はサケをネタにした記事などがなかったためですが。

 「元気に戻ってきてね」。秋田県大館市の長木川白鳥広場で4日、サケの稚魚約10万匹が放流された。市民有志らでつくる「長木川に鮭をのぼらせる会」の主催で、地元の小学生ら約150人が参加した。  放流に先立ち、会の柳館邦男代表が「放流を始めて13年がたった。サケが戻ってくる数も少しずつ増えている」とあいさつ。釈迦内小4年の大沢功さん(10)が「稚魚が元気に戻ってこられるよう、川を守っていきたい」と作文を披露した。  この後、参加者が育てるなどした体長5センチほどの稚魚約2000匹をバケツで一斉に川に放ち、続いて主催者が約10万匹をトラックから放流した。児童たちは、元気に泳ぐ稚魚の姿を見送っていた。 2004年04月04日日曜日

 ちゃんと地図を見ればよいのでしょうが、大館市はたしか米代川の上流にあたったと思います。米代川水系は、鉱山が多いこともあり鉱毒のために、江戸時代からサケが遡上しなくなった河川と記憶しています。近年は水質も向上しているでしょうから、条件さえあれば、あれだけ北に位置する大河川ですから、遡上漁は増えてくるとは思います。

 ただ、今年は10万匹、ということで、他の河川の様子をみても、これまでとりあげた、未遡上河川の復活と同系統の放流であり、将来の産業化(というか、このご時世では難しいのでしょうが)よりも、河川環境の改善を示す一つのシンボルなのだとは思いますが。ただ、米代川水系でサケが姿を消した理由が、近代の環境悪化というよりも、近世以来の悪化であり、その歴史性を考えれば、単に汚水を浄化しましょうといったレベルよりははるかに地域の社会教育として意味がある活動にもみえます(別に、近代以降に遡上しなくなった河川での活動をおとしめたいわけではありません、ただ説明のひろがりが大きいので、単に川がきれいになりました、以上の話しができるという点だけです)

2004 04 05 04:54 PM | 固定リンク | コメント (86) | トラックバック